ランゲウォッチを見分ける目印。そしてその作者たち。

 ある小さな部品によって、A.ランゲ&ゾーネの時計はどれも、はっきりと見分けることのできる一点ものとなります。 その部品というのはテンプ受けのことで、今も160年前と変わらず、マイスターが真心を込めた手作業でエングレービングを施します。 人間にもそれぞれ固有の特徴があるのと同じように、テンプ受けにも、それぞれのエングレーバー独特の癖や、線さばきの勢い、彫りの深さなどがあり、ふたつと同じものはありません。

時計師と変わらない精密な仕事

 エングレーバーの作業は、わずか0.5平方センチの面積を扱うものです。 そのため、テンプ受けのエングレービング作業は顕微鏡を使って行われます。 したがって工具の精密さも極めて重要で、エングレーバーは作業中の受けを見るだけではなく、使用するビュランの先端の状態を常に気にしながら作業を進めなくてはなりません。 100分の1ミリほどの破片が、先端から欠け落ちることがあるからです。 だからエングレーバーは、ひとつの受けが仕上がるごとに、必ず工具を研ぎ直します。

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