気高い人格の男

 時計作りの非凡な才能で頭角を現したアドルフ・ランゲでしたが、その一方で自らを顧みずに人を思いやるやさしさをも備えた人物でした。 そんな人柄の彼には、エルツ山地地方で日に日に悪化していた困窮の様子を黙って見ていることはできず、ドレスデンの仕事や地位を惜しげもなくなげうって、エルツ山地の町で時計工房を創業します。 そうすることで、食べることもままならない人々に、ふたたび仕事と生活の糧を与えようとしたのです。