天文学的精度
このマスターピースは、ちょっとした永遠を刻むために製作されました。というのも、A.ランゲ&ゾーネの時計マイスターたちは、ムーンフェイズ用輪列の設計にあたり、通常用いられる月の周期の近似値をそのまま採用するだけでは満足しなかったからです。通常用いられる29.5日間という近似値は、それ自体がすでにかなり正確といえるものですが、1815 ムーンフェイズ "アドルフ・ランゲへのオマージュ" では、朔望月と呼ばれる月の周期の正確な平均値である29日間12時間44分3秒という値が使用されています。
姿勢の問題
その結果、1058年経過後にようやく、ムーンフェイズの表示を1日修正する必要が生じる計算となり、もちろんこれは、その間時計が休みなく動き続け、時刻も正しく設定されていた場合の話です。アドルフ・ランゲ以来、A.ランゲ&ゾーネの時計マイスターにとって、時間計測の精度を向上させるあらゆる手段を尽くすというのは、時計というものに対する姿勢の問題なのです。そのため、1815 ムーンフェイズ "アドルフ・ランゲへのオマージュ" には、専用の月齢表が付属しており、ムーンフェイズを1日単位ではなく、1分単位で正確に合わせることができるようになっています。精度においては、ムーブメントの歩度の正確さも決して引けをとることはありません。このモデルにも、記念エディション共通となっている、自社開発によるランゲ自社製ヒゲゼンマイが搭載されているのです。
完璧を極めた表面仕上げ
A.ランゲ&ゾーネらしく、テンプ受けにはハンドエングレービングが施されています。ただ、その真の価値を評価するためには、1815 ムーンフェイズ "アドルフ・ランゲへのオマージュ" では、テンプ受けが18Kハニーカラーゴールドでできていることを考慮する必要があります。この素材は、従来のゴールド素材よりも一段と硬いため、エングレービングを施すマイスターがビュランを使って彫りを入れてゆく際にも、通常よりもかなり強い力が要求されるのです。3/4プレートの内側部分には、A.ランゲ&ゾーネでは初めて、放射線状の彫りが入っています。外側の部分には、サンバースト仕上げとロマン漂う波形の装飾、さらにハンドエングレービングされた原産地表示 A. Lange & Söhne, Glashütte/SA が入っています。