

636個のパーツからなるチェーンが、円錐形の滑車(フュジー)から次第に香箱に巻きとられてゆくことにより、ゼンマイの駆動力が輪列に伝達されます。 ゼンマイが完全に巻き上げられた状態で力が強いときには、テコで言えば短い端にあたるフュジーの円周が小さい部分をチェーンが引っ張り、ゼンマイの力が弱くなってゆくにつれて、テコの長い端にあたるフュジーの円周が大きな部分にチェーンの牽引が移ってゆく仕組みになっています。 その結果、ゼンマイの巻上げ状態に関わりなく、常に一定の力が伝達されるようになるのです。 そして時計の精度が向上します。

段階式遊星歯車機構
チェーンフュジーを使った動力伝達方式では、ゼンマイを巻き上げる時とゼンマイが次第に解けてゆく時でフュジーが逆方向に回転することになります。 それにも関わらず、ゼンマイの巻き上げ時にも時計が動き続けるようにと、A.ランゲ&ゾーネのマイスターたちが編み出したもうひとつの驚異的なメカニズムが、フュジー内部に収められた実に小さな段階式遊星歯車機構で、力の伝達が途絶えることはありません。

